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プロテイン系のスタートアップとその投資家はお肉に取って代われるか

techcrunch.com

最近のFoodTechのちょっとした概観記事です。流れは植物性食品でプロテイン、それもお肉の味がするものをどうやったら作り出せるか、というところに行っているようです。

 

<和訳ここから>

我々の多くは、フェイクミートというとゴムのような豆腐、それもこげたヒレというよりはスニーカーのソールのような味わいのものを思い出します。その後味わってきたものと言えば、ベジバーガー、大豆ドッグ、ミートレスのミートボール、カラメル色した真空パックされたfield roastsと呼ばれる塊になります。

結果として我々は歯ごたえのある、プロテインが詰まった何となくお肉っぽい食べ物に慣れてきたということです。しかしながらまだまだ夢は続きます。もしフェイクミートが本物と同じような味がして満足のいくものだったらどうしますか?

最近スタートアップは動物性たんぱく質により一層似た商品を開発してます。VCと戦略的な投資家も共同でお肉を含まないけど高プロテインで、時にはお肉の味がする会社に何百万ドルと投資をし続けています。

ここ2年で、クランチベースは代替プロテインスペースと呼んでいる領域への投資情報として2.5億ドルがなされたことを確認しています。実際の投資額水準はもう少し高いかもしれません。というのも戦略的な投資家達は実際の投資ラウンドの額をいつも公表するわけではないからです。

進歩はしているものの、まだやるべきことはあります。週末のお昼に、サンフランシスコにあるMarina Umami Burgerに向かい、Crunchbase NewsはImpossible Burgerと牛肉のようだと言われている野菜パテ、そして通常のバーガーをを注文しました。我々はそれを半分こして順番に食べたのです。

言うまでもなく、Impossible Burgerは合格でした。硬くなかったし、古い靴のようでもありませんでした。しかし、すごいバーガーっぽいというわけでもなかったのです。代わりにはなるかもしれませんが、置き換えるほどではないということです。

幸運なことに、フェイクミートの周りにはより一層のイノベーションを進めるための資本がまだ豊富にあるんです。調べて見ると、この代替プロテインスペースには注目すべきトレンドがあることを我々は確認したのです。以下はいくつかの投資テーマに関する
簡単なまとめです。

投資家はより大きなレイトステージに注目

代替プロテイン領域でユニコーンスタートアップはまだいません。例え神話であったとしてもまだ動物の名前を与えるのは早計のように思えます。

ということは、きちんとした金額のベンチャーからの資金を獲得している代替プロテインスタートアップが存在するということです。例えば今月、Impossible Foods、前述したバーガーの生産者ですが、彼らは7,500万ドルのシリーズEラウンドを終了しました。これによってシリコンバレーで6年目の会社の調達額は2.5億ドル以上になりました。支援者にはビルゲイツ、グーグルそしてTemasekが含まれます。だから誰が大豆ベースのユニコーンになるかというと、恐らくImpossible社になるでしょう。

次に大きな調達をしている会社、Hampton Creekは、マヨネーズのようなこれまでは卵無しには作れなかった野菜ベースの製品を作ることに苦心しています。このサンフランシスコの会社は2億ドル以上を調達しており、それには1年前の6,000万ドルのラウンドを含みます。そして大手小売の棚にもその製品は並ぶにいたっています。しかし、最近は5人の役員のうち4にが辞任するという内部の問題が発生していると報じられています。

Beyond Meatもベジバーガーやチキンもどきを食料品店に流通させてます。8年目のこの会社は1,700万ドルの調達しか明らかにしえいませんが、総調達額はもう少し高い。というのも直近の何ラウンドかの情報は公開されていないからです。直近ではタイソンフードやGeneral MillsによるシリーズFを完了している。アメリカ最大の牛肉生産者であるタイソンの興味は、巨大なお肉屋さんが有望でそして潜在的な競争相手をこの領域に見出していることを示唆しています。

バーガーと人工精肉者の技術

フェイクミート領域のイノベーションのほとんどは、野菜がお肉のような味に仕立て上げられるかどうかということを見つけ出すことに集中しています。ちょうどソーダ産業が何十年もノンカロリーの甘味料に時間をかけたように、代替プロテイン起業家達は100%野菜からできた”人工的な精肉業者”になることを競っています。

Impossibleの挑戦は2011年に始まり、5年かけて肉を食べたという独特の感覚がどのように作られるか、そしてどれらを植物を使ってどうやって再現するかということの研究が行われた。Impossibleが持つ”人工的な精肉業者”に最も近いことは、”heme”と呼ばれる原料を持っていることだ。この原料は動物の筋肉に豊富に含まれており、肉が持つ特徴的な色や味を作り出すことができる。このスタートアップは大豆の根から”heme”の取り出し方を開発し、発酵させることで生産をしています。

一方Beyond Meatは肉なしバーガー商品のためにえんどう豆のたんぱく質を採用しています。このスタートアップは植物性のたんぱく質を動物のたんぱく質の中に見ることができるのと同じ繊維構造にするために温めたり冷やしたり、プレスしたりするシステムを独占的に使っています。Beyond社は酵母菌から抽出したものを匂い付けに使っています。というのも酵母菌がダミーの牛肉と鶏肉に肉の風味に似た味を付け加えてくれるグルタミン酸を含めたアミノ酸を含んでいるからです。

そのほかのアプローチとしては、植物だけを原料にしたものではないもので、家畜の必要性を除去した、動物の細胞からお肉を作り出す方法があります。実際にはサンフランシスコに拠点を置くMemphis Meatsはこの目的達成のために3百万ドルを調達しています。まだ商品の販売には至っていませんが、研究所で作り上げたもののいくつかは公開していて、そこにはミートボール、鶏肉そして鴨肉が含まれる。Hampton Creekもまた来年早々に研究所で作ったお肉を流通させることを発表しています。

ただ単にプロテインを加える

全ての代替プロテインが、お肉もどきだというわけではありません。消費者にニーズのあるものとしては、健康的だったり利便性が高いプロテインがあります。それらはパスタやシェイクや水でもいいのです。

そして最近どうやら皆プロテインを必要としているようです。ダイエット中の人は炭水化物と脂肪摂取を制限する一方で、プロテインは一般的に許されていて、良いカロリーであり、満足感と維持可能なエネルギーレベルを促進してくれるという認識を得られています。
そして高たんぱく質食の良し悪しについては継続して議論はされているものの、バランスの取れた食事療法において高たんぱく食の価値については大きなコンセンサスがあります。スタートアップ各社はたんぱく質を必要としながらも同時に動物性食品を制限したり避けることを考えている消費者にアプローチしようとしているのです。

直近では、デトロイト発のBanza社が8百万ドルを調達し、ひよこ豆を原料とし、小麦粉ベースのパスタよりも数グラムプロテインが多いパスタの生産をスケールアップしようとしています。少なくとも3つのプロテインそして食事の代わりとなる飲料メーカー、Koia社、Protein2o社そしてSoylent社が、数百万ドルの調達をここ数ヶ月で完了していいます。Soylentは単独でこれまでに7,000万ドル以上を調達し、大豆プロテインを使った飲料をもっと販売しようとしています。

虫を食べる

最後に、虫を見てみましょう。たくさんの虫そして特にキリギリスは高たんぱくです。それらは世界中の多くの地域で普通に食用になっており、そして家畜のえさとしても潜在的に市場があります。そして調達ラウンドを見るに、実際にかなりの数の虫育成者や虫プロテイン商品、そしてそういった商品のマーケッターがいるのです。

クランチベースのデータベースには少なくとも調達に成功した昆虫たんぱく質領域の会社が5社入ってます。一番大きな調達はExo Protein Barsで、彼らが作るスナックバーはコオロギの粉末を含んでいます。一方で最近の調達は、Hargol FoodTechです。このイスラエルのスタートアップはこの夏60万ドルを調達し、世界初の商用キリギリス工場を作ると主張しています。

この領域にそこまで多くのVCが参入していないとしても、何か大きなものができあがるかどうかを見ておかないといけないでしょう。

肉々しい結論

本当の食欲を満たすためという点で、最近の代替プロテイン商品が何だか満足のいかないへんてこなものに思えてしまう人は過去数十年で食生活がどれだけ劇的に変化してきたか、ということについて考えてみるべきです。1900年代に最も人気のあった食事にいくつかは、チキンプディングやliver loafでしたが、最近の味覚からするとちょっと厳しい味と言えるでしょう。

フェイクミート生産会社の買収には大きなお金も動き得ます。Quorn Foodsがいい例ですが、彼らの私的支援者達は2015年にフィリピンの食品コングロマリットMonde Nissinに会社を8億3千万ドルで売却しました。

Quorn社は彼らのベジプロテイン調理法は、土壌から自然の栄養を含む菌を抽出し、Mycoproteinと呼ばれる粉になるまで発酵をさせたものだと述べています。めちゃくちゃおいしそうには聞こえないけど、明らかにこの製造過程はおいしい牛ひき肉とチキンカツレツを作り出しています。

<和訳ここまで>